澤田病院 腎臓病センター

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食事療法のポイント

適切なエネルギーをとる→エネルギーをアップさせるには…

 透析治療は非常に体力を使う治療です。エネルギーが不足すると体力の低下・抵抗力の低下・貧血・食欲不振などを招くので、エネルギーのもととなる食品を摂取することが大切です。

 1日の基準は、ドライウェイト1Kgに対しエネルギー30〜35Kcalといわれています。体重50Kgの人なら1500〜1750kcalとなりますが、肥満・糖尿病などを合併している方はいちがいにはいえません。主治医・スタッフに確認し、ご自分の「適切なエネルギー」を知りましょう。

エネルギーのもとになる食品

穀類・芋類・砂糖・脂質類

適切な良質の蛋白質をとる→良質な蛋白質とは…

 人間の体は、水分を除くとほとんどが蛋白質でつくられており、筋肉・血液・内臓はもちろん、髪・爪・骨も蛋白質が主体です。蛋白質の不足は貧血やむくみの原因となります。

 腎不全保存期を経てきた方は、蛋白質の摂取を控えるよう厳しく言われてきたかと思いますが、透析が導入になると逆に必要量を適切にとることが大切です。

 1日の基準はドライウェイト1Kgに対し、蛋白質1.0〜1.2gといわれています。体重50Kgの人なら、50〜60gとなります。

蛋白質の多い食品

魚介類・肉・卵・大豆・乳製品

水分を控える→塩分を控えるには

 前回の透析からどのくらい体重が増えたかを調べ、ドライウェイトと比べて毎回その日の除水量がきまります。おしっこがでていて、前回の透析と今回の透析との間で体重の増えが少ない人は水分制限の必要はありませんが、おしっこが減ってきて体重が増えるようになると水分制限(水・お茶だけでなく食品中の水分も含む)が必要になってきます。

 水分と取りすぎると、むくみ・体重増加・呼吸困難・血圧上昇などの症状があらわれ、高血圧・心不全・肺水腫などの原因にもなります。透析開始前と前回終了時の体重の差がドライウェイトの3〜5%以内となるよう心掛けてください。体重50Kgの人なら、1.5〜2.5Kg以内となります。

 汗をかく夏場はまだよいのですが、秋・冬になると一層、水分制限が大変になります。でもそれを少しだけ楽にしてくれるのが、次の項目の「塩分を控える」という方法です。

水分を控える

塩分を控える

塩分を控える→塩分を控える方法は…

 透析を受けている方の多くは、塩分制限をする必要があります。人間の体は、塩分(ナトリウム)をとると血液の中のナトリウムが濃くなり、それを薄めようとして水分をたくさん体の中に取り込んでしまうようにできています。そんなに食べたり飲んだりしていないのに体重が増えてしまうという方は、意外に塩分を取っているかもしれません。

 なかなか難しいですが、1日の塩分は6〜7gくらいが理想です。薄味に慣れる、うどんやラーメンの汁は飲まないなど、工夫が必要になってきます。

カリウムを控える→カリウムを控えるには…

 血液中のカリウムの濃度が高くなると、手指や唇のしびれ・全身がだるい・胸が苦しいなどの症状があらわれ、心臓が止まってしまう原因になります。

カリウムはどんな食品にも含まれていますが、特に生野菜・果物・芋類に多く含まれています。また水に溶ける性質がありますので、調理の仕方により異なりますが「薄くきって水にさらす」「茹で汁をかえて煮物を作る」などちょっとしたひと手間で、調理前に比べて平均30%ほどカリウムを減らすことができます。

「カリウムを控える」ということは透析食の基本ですが、全ての方に厳しいカリウム制限が必要なわけではありません。血液検査の数値より主治医や透析室スタッフと相談し、必要があればカリウム制限を行えばよいと思います。

カリウムの多い食品

果物・野菜・芋類・干した物(魚の干物・ドライフルーツなど)

リンを控える→リンを控えるには…

 血液中のリンの濃度が高くなると、骨の中のカルシウムがリンを下げようと働くため、結果的に骨が弱くなります。骨を丈夫に保つためにも、リンの制限が必要になります。

 リンもカリウム同様、どんな食品にも含まれていますが、特に蛋白源(肉・魚・卵・乳製品)に多く含まれています。しかしリンが多いからといってただやみくもにこれらの食品を控えると、蛋白質が不足する可能性があるのでおすすめはできません。

 また「リンを控える」というのは透析食の基本ではありますが、これもカリウム同様、全ての方に制限が必要なわけではありません。血液検査の数値より、主治医や透析室のスタッフと相談し、必要があればリンの制限を行えばよいと思います。

リンを多く含む食品

肉・魚・卵・乳製品など蛋白源全般(特に肉・魚の内臓系に多い)

レシピ

ホタテとタコのマリネ・厚揚げとインゲンの煮物・スパゲッティソテー

 マリネはさっぱりしていて、おいしいですが、魚介類を使っているため、リンがやや高めになります。
 ホタテを薄く切って分量をへらし、野菜を加えると、リンがおさえられる上、ボリュームもでます。マッシュルーム・パプリカなども彩りがきれいです。

ホタテ貝柱(刺身用)50 g(2個)
タコ20 g
たまねぎ30g
みじんパセリ0.5g
マリネ(レモンドレッシング)15g
0.3g
こしょう0.01g
サラダ菜5g
トマト20g
  1. ホタテは横ふたつに切る。タコはスライスし、 玉葱は千切りにしておく
  2. バットにホタテ・タコ・玉葱・パセリをならべ、 塩・こしょうし、マリネドレッシングであえる
  3. 玉葱がしんなりするまで、冷蔵庫で冷やす (3〜4時間以上)
  4. サラダ菜・トマトを添えて盛り付ける

エネルギー 647 kcal, 水分 207.7 g
リン 384 mg, カルシウム 166 mg
カリウム 664 mg, 塩分 1.5 g
蛋白質 28.3 g

鶏ときのこの炒め物・れんこんとこんにゃくの煮物・マカロニサラダ

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